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民事裁判の流れ

第2回目以降の期日は、「準備手続期日」として開かれることが普通になっています。この「準備手続期日」では、主に、争点及び証拠の整理を行うことが目的とされます(168条)。
また実際には、この「準備手続期日」には、「和解の勧試」といって、裁判官が仲介役になった事実上の話し合いが行われることも少なくありません。

この日までには、前回期日に裁判官が指示した書面が事前提出されているので、裁判官には、この紛争の争点(当事者間に争いがある点)がほぼ見えてきています。
この争点がまだ見え切らない場合には、前回期日にしたのと同様に当事者のいずれかに、あるいは双方に、次回期日までにどのような主張を準備書面にまとめて事前提出して欲しいと指示をします。
また、書証という書類による証拠は、早い事例では、第1回期日から提出されるケースもあり、もちろんそれはそれでよいのですが、第2回期日あたりから提出されることが多くなっています(219条)。
書証を提出する場合、裁判官や相手方の便宜を考えて、書証の提出とともに、「証拠説明書」という書面を作成して同時に提出することが義務づけられており、これが結構手間のかかる作業になります。
「証拠説明書」には、第1号証から順番に付した証拠番号、証拠の表題、その作成者、作成年月日、証明したい事項を記載しなければならないことになっています。この「証拠説明書」は、一覧しやすいように表の形式で作成して提出することになっており、一定の書式が定められています。末尾に簡単なサンプルを掲載しておきます。
書証というのは、借用証、契約書、手形などの書類で、その裁判における主張を裏づけることができそうな書類のことをいいます。
そして書証の提出にも一定のルールがあります。各自が記録に残せるように、同一書類をコピーしたものを裁判所の分と、相手方の分、それに自分の記録に綴じ込む分の3通が原則として必要となります。相手方が何人もいる場合は、その分だけ追加して作成する必要があります。

これを「原本照合」といいます。その書証が偽造書類でないかどうかがこの段階でチェックされるわけです。
裁判官が、「書証の原本をお持ちですか」と尋ねたら、書類の現物を出してみせることになります。その後にも、原本を見せろといわれることがありますから、期日にはいつも持参するようにします。
特に証人調べのときには証人にも見せなければならないことがありますから必ず持参する必要があります。
原告あるいは被告から書証が提出された場合に、その書証が偽造文書らしいとか書証の作成者とされているものでないものによって作成されたものであるというような場合にはその相手方は積極的にその主張をしていく必要があります。
現在の裁判実務では、特に相手方が積極的に争わない場合には、弁論の全趣旨によって有効に成立したものと認めるという扱いがされています
従って、その文書が偽造であるとか、違う人が作成したとか、あるいは作成日として記載されている日とは異なる日に作成されたとかの疑問を持つ場合には、積極的にその旨述べていく必要があります。
書類の作成者として主張されている者が真意で書類を作成したこと、すなわち、文書成立の真正であることを相手が認めないと、筆跡鑑定その他の証拠によって、これを立証する必要が生じます。
しかし、あらゆる場合にこれを必要とすると、いたずらに審理を長びかせることになりますので、誰がみても普通は作成したことに間違いないと考えられる文書は、成立の真正なことが推定されます。たとえば、公文書、または私文書でも本人または代理人の署名や押印があり、それが真正と認められたときなどがそれです(228条)。
第3回口頭弁論期日
これが第3回期日になるか、第4回、第5回期日になるかは事案の複雑さに応じてまちまちですが、この時点になると裁判官には、この紛争の「争点」がほぼ断定できるようになっています。
ここまでの主張・立証によって、裁判官がほぼこの裁判の「争点」(争いになっている部分のこと)について把握できてくると、裁判所は、この次の期日には「証拠調べ」といって、原告・被告の双方から証人や本人の尋問の請求を行うように促します。裁判官が中に入って双方に話し合いで解決してみないかと提案する場合もあります。これを「和解の勧試」といいます。

「和解の試み」は準備手続期日という期日の中で行われます。
具体的には、その場所が法廷ではなく、裁判官室に隣接した比較的手狭な準備手続室と呼ばれる部屋で行われます。
裁判官が司会進行役になって、原告、被告の双方に対して話し合い解決を進め、場合によっては裁判官があっせん案を提出したり、あるいは当事者の一方に和解案を提出させたりして話し合いを進めます。
この日1回だけで話し合いがまとまったり、決裂してしまったりすることも少なくありません。
その場合には、裁判所は話し合い解決をあきらめて、「証拠調べ」手続に進むか、既に「証拠調べ」を終了している場合には、手続を終結させて(このことを「結審」といいます)「判決」の言い渡しへと進むことになります。
判決の場合には、一般的には原告か被告のいずれかが勝訴し、いずれかが敗訴するという意味で一方的な結果となって終わります(金銭請求訴訟の場合には、一部認容といって請求額の何割かだけが認められることもあります)。
民事紛争の場合には、しょせんは当事者間におけるだけの紛争であるに過ぎず、国家、社会にまで影響が及ぼされることはありませんので、できることなら円満な解決が図られるに越したことはないわけです。
そのような意味から、民事裁判においては、和解によって解決される確率がかなり高くなっています。
むしろ判決にまで至るケースというのは、内容的にいずれ一方の主張が圧倒的に真実に近い場合とか、双方が感情的になっていて、とても話し合いというムードにならない場合などに限られるといっても過言ではありません。
話し合いにおいて重要なことは、その時点までの流れを見極めて、判決になった場合の結果をも予測したうえで、双方がそれなりの歩み寄りをすることです。俗にいえば、「腹八分目」という割り切り方ができるかどうかということです。
話し合いがまとまると、裁判所はその話し合いにおける成果を「和解調書」という書類にまとめてくれます(265条)。
そしてこの「和解調書」には勝訴判決と同様の効力が認められているのです。
即ち、当事者の一方がこの「和解調書」において取り決めされた内容を履行しないときには、相手方がこの「和解調書」を使用して強制執行をすることができるのです。

原告、被告双方の主張が出そろうと、この紛争の争点がどこにあるのかということが見えてくるようになりますので、この段階で裁判所は、第三者である証人や原告、被告本人の尋問を行うようにうながすことになります(190条、207条)。
具体的には「証拠調べ請求」をしてくださいと促すのです。
「証拠調べ請求は」口頭でもよいのですが、書面でするのが普通です。これにも一定の書式が決められています。
証人が何人いようと、ひとつの証拠申出書に記載して申し立てることができますし、また、同じ書面で同時に、証人尋問のほかに、本人尋問や鑑定申請や文書提出命令の申立てをしてもよいことになっています。
証人の申請があると、裁判長は、「原告申請の証人のうちA、被告申請の証人のうちBを次回に調べましょう。その他の証人については、またその後で決定しましょう。次回期日は6月1日午後1時としますが、いかがですか」というように発言し、誰と誰を、いつ調べるか決定します。
この決定の際には、証人尋問に要する予定時間を聞かれることが普通ですので、あらかじめ、申請した証人のそれぞれについて、質問するのに要する大体の時間を考えておくとよいし、また申出書にあらかじめ記載しておくことが望ましいといえます。
一般的には一人の証人について、15分から20分、少し重要な証人の場合には30分、かなり重要な証人になると60分と指定されることが多くなっています。
証人のうち誰を次回に取り調べるか決定した後で、時によると裁判長または書記官から、「証人は呼び出しますか、それとも同行しますか」と尋ねられます。
自分が声をかければ裁判所に来てくれる証人の場合には「同行します」と答え、そうでない場合には、「呼び出しでお願いします」と答えればよいのです。

証人は裁判所に出廷して、法廷でうそを言わないという宣誓をしたうえで、自分が過去に経験した事実を供述します。
宣誓が終わると、いよいよ証人を尋問することになります。通常、裁判長は、「今、宣誓したように嘘を言わないように」と注意したうえで偽証罪の説明をします。そのうえで「では、原告からどうぞ」と促します。
尋問をするものはそれぞれの席で立ち上がって証人に対して質問するかたちで尋問を進めます。
最初に尋問することを主尋問といいます。そして主尋問が終了したら、相手方がその同じ証人を尋問することになります。これを反対尋問といいますが、一般的には、この反対尋問がこの裁判の勝ち負けに大きな影響が出る尋問になります。
代理人に弁護士がついている場合には、その弁護士にとっての腕の見せ所ということにもなります。
こうして双方の尋問が終了した場合、希望すればもう一度尋問することもできます。再主尋問、再反対尋問といいます。あまり長く続くようだと、裁判官が「もうこのあたりでよいでしょう」といって終了させます。
反対尋問は主尋問によって現れた事項やこれに関連する事項、証言の信用力に関する事項についてのみ許され、これ以外にわたり不適当なものと判断されると裁判長から質問をとめられることがあります。
また再主尋問は反対尋問に関係のある事項だけで、それ以外にわたるときは、同様の制限を受けることもあります。
質問の内容が許された範囲を越えるような場合や、個々の質問が相当でないと認められるようなときには、裁判長は質問を制限することができるのですが、相手方もまた裁判長に質問を制限するよう申し立てることができます。これを通常、「異議」と呼んでいます。
ではどのような場合に異議を出すことができるかというと、
㋑ 具体的な質問でないとき―――たとえば漠然と「この事件について知っていることを述べてください」と聞くような場合。
㋺ 誘導尋問―――たとえば「あなたは被告が原告から15万円を借りたことを知っていますね?」というように、証人から特定の答を引き出そうとする聞き方。
㋩ 証人を悔辱する質問―――たとえば証人にその私生活上のことを細かく聞くような場合。
㊁ 証人を困らせる質問―――たとえば細かい数字をムリに追及する質問。
㋭ 前の質問と重複する質問。
㋬ 事実を述べず単に証人の意見をきこうとする質問―――たとえば「そのことを証人はどう思いますか?」というような質問。
㋣ 証人が経験した事実以外を聞こうとする質問。
などの場合です。

この証人が、当事者のいずれか一方を有利にさせようとして、意図的にうその証言をすると「偽証罪」になって刑事事件の被告人にされてしまいます。
本人尋問(当事者尋問)は、あくまでも補充的なもので、他の証拠だけでは当事者のいずれかに軍配を上げかねるときに、採用されるものとなっています(207条)。
但し、これは原則で、実際にはほとんどの事件で、最後に双方の本人を尋問することになります。すべての言い分を聞いたというかたちをとるために行うものです。
なお、本人訴訟の場合には、自分に対する尋問を自分で行うことはできませんので、あらかじめ自分に対して質問してもらいたい事項についてメモを作成し、これを裁判官にあらかじめ渡しておいて、順に読み上げてもらって自分が答えていくという方法をとることになります。

証拠調べも終了し、その前に「和解の試み」がされたものの話し合いがまとまらなかった場合や、証拠調べの後に「和解の試み」がなされたものの話し合いがまとまらなかった場合には、いよいよ判決の言い渡しが現実化してきます。
「訴訟が裁判をするのに熟したとき」(243条)に至ったと裁判官が判断したときには、この段階で裁判官は当事者双方に向かって「他に主張や立証はありませんか。なければ結審しましょう」といいます。
そのうえで、裁判官は「判決は来る〇月〇日午後〇時に言い渡します」あるいは、複雑な事件の場合には「判決の言渡しは追って指定します」と述べたうえで立ち上がり、軽く一礼をして法廷を去っていきます。
判決の言渡期日は、一般的には1か月から1か月半くらい先の期日が指定されます。特に複雑な案件の場合には3か月とか6か月先の日が指定されることもあります。