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就業規則の法的効力
それでは、就業規則は労働契約関係においてどのような効力を有するかという問題ですが、この点についてはいろいろな考えがありますが、要約すると「法規範説」という考えと、「契約説」という考えとに大別することができます。
判例は「法規範説」の立場をとっていると考えられます。すなわち、「多数の労働者を使用する近代企業においては、労働条件は、経営上の要請に基づき、統一的かつ画一的に決定され、労働者は、経営主体が定める契約内容の定型にしたがって、付従的に契約を締結せざるを得ない立場に立たされるのが実状であり、この労働条件を定めた就業規則は、一種の社会規範としての性質を有するだけでなく、それが合理的な労働条件を定めているものである限り、経営主体と労働者との労働条件は、その就業規則によるという事実たる慣習が成立しているものとして、その法規範性が認められるに至っている(民法92条参照)ものということができる」とし、結論として「就業規則は、当該事業場内の社会的規範たるにとどまらず、法規範としての性格を認められるに至っているものと解すべきであるから、当該事業場の労働者は、就業規則の存在および内容を現実に知っていると否とにかかわらず、また、これに対してここに同意を与えたかどうかを問わず、当然に、その適用を受けるものというべきである」として、法規範説の立場に立つことを明らかにしています(秋北バス事件、最判昭43.12.25)。
要するに、就業規則が定められていると、法規範として使用者やすべての従業員を拘束することになると述べているのです。即ち、従業員が就業規則の個別の規定の内容を現実に把握しているかどうかにかかわらず、就業規則の内容が労働契約の内容となること、労働条件は就業規則によって集団的に定められるということを、労使ともに知っておかなくてはなりません。また、これ以後に出された判例においてもこの考え方が踏襲されてきていますので、最高裁においてはほぼこの考え方で確定しているといってよいと思います。
就業規則と法令などとの優先順位
就業規則の定めが、法令や労働契約などの定めとの間で食い違いがある場合には、どちらが優先して適用されるのかについて、その優先順位を定めておかないと混乱してしまいます。そこで、労働基準法第92条、労働契約法第12条においてその順位を定めています。
その順位とは「法令>労働協約>就業規則>労働契約」ということになります。使用者が一方的に定めることができる就業規則よりも、労使の合意がなければ成立しない労働協約の効力をより強いものとしています。また、個別労働契約の下では従業員が弱い立場に置かれやすいため、使用者が一般的に定める就業規則であっても、これにさまざまな法規制を加えたうえで、個別の労働契約より、その効力を強いものにしようというのが労働基準法の基本的な立場です。
この場合、ある一部分が就業規則に反する労働契約があった場合、その労働契約の全部が無効となるわけではありません。反する部分のみが無効となり、無効となった部分が、就業規則(場合によっては法令)の内容に読み替えられ、補充されるという関係になります。この点から、就業規則には労働契約の内容を直接規律する力があると考えられています。
就業規則の変更
就業規則は、労働協約や労働契約と異なり、使用者(会社)が一方的に作成し、かつ、これを変更することができるものです。では、だからといって、使用者が新たに労働者に対して不利益になるような労働条件を押し付けるために、就業規則を一方的に変更することが許されるかということがよく問題になります。上述の秋北バス事件の最高裁判決は、「就業規則の一方的変さらによって労働者に不利益な労働条件を課すことは原則として認められないが、就業規則の包括的処理という性質からして、客観的に合理的な場合(誰が見ても、労働条件の不利益変更はしかたがないという場合)には、労働者に効力を及ぼす」と示しました。
就業規則を変更しなければならない場合というのは次のような必要に迫られた場合です。
(1)労働関係に関する法令の改正に伴って見直しを行う必要性が生じた場合。
(2)企業が今後とも存続していくために見直しが必要になる場合。例えば、国際化に耐える企業にするため、従来の年功序列・終身雇用制度を見直し、能力主義・少数精鋭主義制度に切り替える必要に迫られた場合、従来の正社員一本の雇用形態から、パートタイマー、嘱託、契約社員などのさまざまな正社員以外の雇用形態を利用したコスト削減の必要に迫られた場合などです。
判例は「法規範説」の立場をとっていると考えられます。すなわち、「多数の労働者を使用する近代企業においては、労働条件は、経営上の要請に基づき、統一的かつ画一的に決定され、労働者は、経営主体が定める契約内容の定型にしたがって、付従的に契約を締結せざるを得ない立場に立たされるのが実状であり、この労働条件を定めた就業規則は、一種の社会規範としての性質を有するだけでなく、それが合理的な労働条件を定めているものである限り、経営主体と労働者との労働条件は、その就業規則によるという事実たる慣習が成立しているものとして、その法規範性が認められるに至っている(民法92条参照)ものということができる」とし、結論として「就業規則は、当該事業場内の社会的規範たるにとどまらず、法規範としての性格を認められるに至っているものと解すべきであるから、当該事業場の労働者は、就業規則の存在および内容を現実に知っていると否とにかかわらず、また、これに対してここに同意を与えたかどうかを問わず、当然に、その適用を受けるものというべきである」として、法規範説の立場に立つことを明らかにしています(秋北バス事件、最判昭43.12.25)。
要するに、就業規則が定められていると、法規範として使用者やすべての従業員を拘束することになると述べているのです。即ち、従業員が就業規則の個別の規定の内容を現実に把握しているかどうかにかかわらず、就業規則の内容が労働契約の内容となること、労働条件は就業規則によって集団的に定められるということを、労使ともに知っておかなくてはなりません。また、これ以後に出された判例においてもこの考え方が踏襲されてきていますので、最高裁においてはほぼこの考え方で確定しているといってよいと思います。
就業規則と法令などとの優先順位
就業規則の定めが、法令や労働契約などの定めとの間で食い違いがある場合には、どちらが優先して適用されるのかについて、その優先順位を定めておかないと混乱してしまいます。そこで、労働基準法第92条、労働契約法第12条においてその順位を定めています。
その順位とは「法令>労働協約>就業規則>労働契約」ということになります。使用者が一方的に定めることができる就業規則よりも、労使の合意がなければ成立しない労働協約の効力をより強いものとしています。また、個別労働契約の下では従業員が弱い立場に置かれやすいため、使用者が一般的に定める就業規則であっても、これにさまざまな法規制を加えたうえで、個別の労働契約より、その効力を強いものにしようというのが労働基準法の基本的な立場です。
この場合、ある一部分が就業規則に反する労働契約があった場合、その労働契約の全部が無効となるわけではありません。反する部分のみが無効となり、無効となった部分が、就業規則(場合によっては法令)の内容に読み替えられ、補充されるという関係になります。この点から、就業規則には労働契約の内容を直接規律する力があると考えられています。
就業規則の変更
就業規則は、労働協約や労働契約と異なり、使用者(会社)が一方的に作成し、かつ、これを変更することができるものです。では、だからといって、使用者が新たに労働者に対して不利益になるような労働条件を押し付けるために、就業規則を一方的に変更することが許されるかということがよく問題になります。上述の秋北バス事件の最高裁判決は、「就業規則の一方的変さらによって労働者に不利益な労働条件を課すことは原則として認められないが、就業規則の包括的処理という性質からして、客観的に合理的な場合(誰が見ても、労働条件の不利益変更はしかたがないという場合)には、労働者に効力を及ぼす」と示しました。
就業規則を変更しなければならない場合というのは次のような必要に迫られた場合です。
(1)労働関係に関する法令の改正に伴って見直しを行う必要性が生じた場合。
(2)企業が今後とも存続していくために見直しが必要になる場合。例えば、国際化に耐える企業にするため、従来の年功序列・終身雇用制度を見直し、能力主義・少数精鋭主義制度に切り替える必要に迫られた場合、従来の正社員一本の雇用形態から、パートタイマー、嘱託、契約社員などのさまざまな正社員以外の雇用形態を利用したコスト削減の必要に迫られた場合などです。
次の記事は、「就業規則に関する手続」です。
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