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法律ミニ知識

法律ミニ知識をお届けします。ごく初歩的な知識ですが、お役立ていただければ幸いです。このページは、これからも更新していきますので、どうぞご利用ください。

時効あれこれ

法律の世界には、一定の期間内に権利を行使しないと権利がなくなってしまうという制度があります。時効制度もその一つです。
例えば個人間のお金の貸し借りは貸した日か最後に一部の支払いを受けた日のいずれか遅い日の翌日から10年間で時効にかかってしまいます。取引上の貸借だと5年間です。手形の振出人に対しては満期日の翌日から3年間。小切手については、振出日の翌日からわずか6ヶ月で時効にかかってしまいます。
通常の売掛金は2年、ホテルなどの宿泊費やつけでの飲食代は1年。くれぐれもご注意を!

離婚

経済的破たんをきっかけにした離婚が増えています。離婚そのものが合意できれば、役所へ離婚届を出すだけで離婚できます。未成年のお子さんがいる場合には親権者を定めてからでないと離婚届が受理されません。
夫か妻の一方が離婚を拒んでいる場合には、残念ながら調停とか訴訟という方法をとるほかありません。家庭裁判所で行われる離婚調停は調停委員を仲介役とする話合いと考えればよいでしょう。この調停で離婚の合意が成立することが少なくありません。
当事務所では、調停については極力ご本人で行うことをお勧めしています。調停や訴訟で養育費や慰謝料の分割払いが合意され、あるいは判決で定められたにもかかわらず、相手方が支払わない場合には給与などの差押えをすることができます。
当事者間の合意書だけで定められた場合には、いきなり差押えをすることができませんので、差押えの必要性を感じる場合には、合意内容を公正証書にしておく必要があります。

遺言書の作成

最近は、財産の多い、少ないにかかわらず遺言書を作成する人が増えています。死後に争いが起きることを予防しておこうと考える人が多くなったからです。遺言書では財産の処分が主な目的とされていますが、それ以外にも身分的なことや、お墓やお寺との関係、兄弟仲よくやって欲しいなどの希望を書いておくこともできます。当事務所では、公正証書で作成することを条件にお引き受けしています。
遺言書が特に効果を発揮するのは、お子さんがおらず、両親も既に他界している人が財産のすべてを配偶者にあげようとするケースです(兄弟姉妹には遺留分がないため、すべてを配偶者に与えることができます)。もうひとつは、先妻さんと後妻さん(あるいは先夫さんと後夫さん)の両方に実子がいる場合で、それぞれの取得分を平等でないようにしたいケースです。
これらのケースでは、公正証書の文章表現を正確に作成する必要がありますので、最初から弁護士に依頼したほうがよいでしょう。

もっと詳しく ≫遺言のお勧め

多重債務の整理

長引く不況の影響か、クレサラ債務などの整理の相談をいただくケースが激増しております。自己破産の申請、債権者と長期間の分割返済の合意をするなどの方法で対処しています。スムーズな解決のためには、できるだけ早い時期に相談いただくことがコツだと言えましょう。
費用については事前にあらましをご説明できますので、まずお電話ください。

もっと詳しく ≫多重債務の整理

相続の処理

ある人が亡くなると、民法の規定によって直ちに相続が発生します。そして遺言が作成されていると、まずその遺言書に書き残された方法によって遺産の分配が行われます。余りにかたよった分配方法である場合には、一定の範囲の人には遺留分といわれる権利が発生します。
遺言が残されていない場合には、法定相続人の全員が参加した遺産分割協議によって分配方法を決めることになります。この協議では、民法の定める法定相続分を基準とした分配が行われるのが普通ですが、全員が納得すれば、どのような割合で分割することも可能です。例えば、自宅の不動産だけが残されたような場合に、その土地、建物は実家を継ぐ長男が取得し、その代わりに長男は他の相続人に一定額の金銭を分割で支払うというような分配方法を採ることも可能で、これを代償相続といいます。
合意が成立しない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。調停というのは、調停委員と呼ばれる人が中に入って話し合いをまとめる制度です。調停が成立すると、家庭裁判所が調停調書と呼ばれる書面を作って全員に交付してくれます。
調停もまとまらない場合には、家庭裁判所の審判によって分配方法を決めてもらうことになります。審判では、法定相続分を基準に、各相続人の寄与分や特別受益などを総合的に考慮して、分配方法が言い渡されることになります。

契約の成立

民法では、口頭の約束だけで契約が成立するとされています。契約書など不用なのです。だからといって口約束だけで済ませておくのは考え物です。人間の記憶ほど不確かなものはありませんし、少しずるい考えの人が現れると、すぐに言った、言わないの問題が起きてしまいます。
こんなトラブルを避けるためには、契約書などの書面に残しておくことがどうしても必要になります。価値の高い不動産の売買や賃貸借の契約が結ばれる際にはほとんどの場合に契約書が作成されています。また我が国の多くの業界でも、アメリカナイズされ、徐々に契約書の調印が慣習化されてきています。
少々面倒なようでも、大きなトラブルを避けるためにも、大切な約束ごとは是非書面化しておきたいものです。

クーリング・オフ

訪問販売やキャッチセールスなどにおいては、販売業者の販売攻勢により、消費者が購入意思の不安定なまま契約締結に至り、後日契約意思の有無や解約の可否などをめぐって紛争が生じることがあります。
そこで、法律上、一定の要件(下の1.ないし4.)を満たせば、消費者が無条件で契約の解除等を行う制度が設けられており、これをクーリング・オフ制度といいます。この法律上の要件とは以下のとおりです。

  1. 販売または勧誘の行われた場所について(のいずれかに該当すればよい)
     営業所等(通常の店舗とみなしうる場所のこと)以外の場所で行われる販売
     営業所等以外の場所で呼び止めて、営業所等に同行させた場合
     電話等により、販売の意図を明らかにせず、あるいは、著しく有利な条件を提示して営業所等へ来訪させた場合
  2. 法律がクーリング・オフの対象としている商品・サービスであること(日用品等のほか、エステや英会話のサービスなど、幅広く指定されています)
  3. 申込書または契約書(クーリング・オフができる旨赤枠の中に赤字で記載されているもの)を受け取ってから8日間以内
  4. 消耗品については、それを使用または消費していないこと

上記の要件を満たせば、クーリング・オフを行使する旨の書面を販売業者等に郵送して契約を解除することができます。(内容証明郵便で行った方がよいでしょう。)  なお、購入者は、受け取った商品を返還することになりますが、返還に必要な郵送費等の費用は販売業者が負担することになります。

給料の差押

ある人にお金を貸したが返さない、離婚した夫が約束した養育費を支払わないというような場合、金銭の支払いを要求できる権利をもっている人は、相手方の給料の差押、すなわち、雇用先が相手方に給料の一部を支払ってはならないという裁判所の命令をもらい、その給料の中からお金を支払ってもらうことができます。
もっとも、いきなり給料を差押えることはできず、権利があることを公的に証明するもの(債務名義といいます)が必要になります。
債務名義としては、裁判で勝訴した確定判決、裁判上の和解調書、公正証書などがあり、これらの債務名義があれば、相手方の給料を差押えることができます。
もっとも、給料の全額を差押えることは相手方の生活を脅かすことになりますので、法律上は給料の4分の1(手取額が28万円を超えるときは、21万円を超える部分)しか差押えはできないことになっています。例えば、手取費が20万円なら5万円、40万円なら19万円を差押えることができるのです。

相続人の範囲

被相続人(亡くなった人)の配偶者は常に相続人になります。また、被相続人の子(相続開始以前に子が死亡していれば孫、孫も死亡していればひ孫)も相続人になります。被相続人に直系卑属(子、孫、ひ孫など)が1人もいなければ、直系尊属(父母、父母がいずれも死亡していれば祖父母)が相続人となります。被相続人に直系卑属も直系尊属もいなければ、最後に兄弟姉妹が相続人になります。これらの3グループ間には、ここに記載したとおりの優先順位があります。
即ち、配偶者+子(孫)/配属者+直系尊属/配偶者+兄弟姉妹の3つの組み合わせのうち、いずれか優先するグループが相続人になるのです。
このように決められた相続人間の、法律で定められた相続分は、以下のとおりです。(もっとも、下記の割合は、遺言や遺産分割により変更することができます)

  1. 配偶者+子のときは、配偶者:2分の1、子:2分の1
  2. 配偶者+直系尊属のときは、配偶者:3分の2、直系尊属:3分の1
  3. 配偶者+兄弟姉妹のときは、配偶者:4分の3、兄弟姉妹:4分の1

法定相続人が全くいない場合には、遺産は最終的に国のものになります。

親族間の扶養義務

民法上、直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務があるとされています。扶養とは、経済的な援助をすることが中心ですが、引き取って世話をしたりすることも含まれます。親子の縁を法律上切ることはできませんので、極端な例を挙げると、子供を棄てた親が、長年を経た後、成人した子供に対して生活の援助を求めてきた場合でも、子供はその親を援助する義務があるということになります。
もっとも、家庭裁判所の実務では、夫婦間や子供に対しては、自分と同じ程度の生活ができるように扶養する義務があるのに対し、親や兄弟姉妹に対しては、自分の収入等に相応の生活をした上でなお余力が生じている限度で扶養すれば足りるとされています。
離婚した両親が子供の養育をする場合や数人の子供が親の面倒を見る場合等、扶養義務者が数人いる場合、誰が、どの程度、どのような方法で扶養するかということについては、当事者間で協議して決めるのが原則とされていますが、当事者間の協議が調わなければ、家庭裁判所の調停等で定められます。

刑事告訴

刑事告訴とは、犯罪の被害者その他一定範囲の人が、捜査機関に対して、ある特定の犯罪が行われた事実を申告し、その犯人の処罰を求める意思表示のことをいいます。
これに対して、被害者と関係ない第三者が同様の申告を行うことを刑事告発といいます。
刑事告訴をすると、警察や検察がすぐに動いてくれるかというとそうではありません。殺人とか傷害などは直ちに受理し、捜査に入ってくれるのですが、詐欺、横領、窃盗など、財産犯と呼ばれる犯罪については受理してもらうことが容易ではありません。正式に受理してしまえば、いずれ捜査に着手しなければならないからでしょう。
これらの犯罪では、捜査に大変な時間がかかること、捜査官の人数が圧倒的に不足していることがその背景にあるようです。
なお、不確かな情報のまま、ある人を告訴し、捜査の結果その人が全く無関係であったことが判明すると、告訴した人が反対に誣告罪で告訴されるおそれがありますから、くれぐれも注意が必要です。

もっと詳しく ≫刑事事件について

善意の第三者

個人間の紛争について、もっとも大切な法律は民法ですが、この民法で最重要とされる用語に「善意の第三者」という用語があります。
日常語の善意は、気持ちがよいというような意味で使用されますが、法律用語としての善意とは、“ある事情について知らない”という意味で使用されます。従って「善意の第三者」とは、ある事柄について事情を知らない第三者ということになります。
例えば、ダイヤ入りの指輪は動産ですから、即時取得の対象となります。即ち、その指輪が預かり物であるという事情を知らずに、保管しているだけの人から安い値段で買い取った人は、即時取得によって保護されます。つまりこの指輪を預けていただけの被害者から引渡しを求められたときに返さなくてもよいことになります。
但し、即時取得の条件としては、善意・無過失であることとされていますので、事情を知らないことについて落ち度のなかったことも必要となります。かなり安い値段で買い取ったとなると、ある程度疑ってみる必要はあるでしょうから、即時取得が認められるか否か微妙になってくるような事例です。
「善意の第三者」の用語は、手形・小切手の世界にもしばしば登場します。「ある事情について」の部分は、搾取されたとか、発行原因である契約が取消されたとか、場面ごとに変ってはきますが、事情を知らずにという意味で使用されている点では全く共通なのです。

登記の制度

登記という言葉は耳にしたことがあると思います。民事の法律知識としては欠かせない制度です。登記には、商業登記と不動産登記という2種類があります。いずれも、法務省の下部機関である法務局という役所が管轄しています。
商業登記は、株式会社・有限会社・学校法人・財団法人などの登記を意味します。これらの法人については、法務局宛てに登記の申請手続を行い、登記が完了しないと、その法人を設立したことが認められません。登記の完了によって、法律上の効力が生じるわけです。
不動産登記は、土地と建物という不動産に対する登記のことで、こちらは成立要件ではなく対抗要件だと説明されます(唯一の例外は、事業資金の借り入れなどの際に銀行に設定される根抵当権の登記です)。不動産について登記簿は、誰が取得して所有権者になり、その後売買や相続によって誰に所有権が移ったのかを示す履歴簿の役割を果たしています。
成立要件でないということは、例えば売買が完了すれば、登記がされなくても、法律上の所有権は買主に移転するのです。相続が発生すれば、登記をしなくとも所有権は相続人に移転されるのです。
対抗要件であるという意味は、その不動産が違う人に、二重に譲渡されてしまったり、相続の発生後、登記がされないうちに違う人に譲渡されてしまった場合には、たとえ譲渡の日が遅れても、先に所有権移転の登記をした人のほうが優先的に所有権者になれるということです。これはとても恐ろしいことです。だから、不動産のように価値の高い資産を売買で購入したり、相続で取得した場合には、できるだけ早く登記手続を済ませる必要があるのです。
登記が完了すると、法務局に備え付けられた登記簿にその内容が記載されます。この登記簿の謄本は、1000円ほどの手数料を収めれば、誰でも、つまり全く関係のない人でも手に入れることができます。

債権譲渡

債権というのは、人の人に対する権利です。例えば、AさんがBさんにお金を貸したため、そのお金を返してもらえる権利を持っているということです。
この債権は独立したひとつの財産ですから、自由に譲渡できるというのが民法という法律の原則です。契約の成立の一種ですから、書類など作成されなくとも、口頭の約束だけでも債権は有効に譲渡できます。ただ、債務者にとっては、知らないうち二重譲渡されてしまったら誰に対してその債務を履行したらよいのかわからなくなってしまいますから、譲渡する人から債務者に通知するか、債務者がその譲渡について承諾しなければならないと民法は定めています。
但し、ここからが曲者なのですが、自由に譲渡される結果、意地の悪い人がひとつの債権を同じ日に、Aさん、Bさんという二人に譲渡してしまったときはどうしたらよいのでしょうか。AさんとBさんは、われこそ権利者だといってけんかになってしまいます。そこで民法は、譲渡の通知か承諾は、確定日付のある書面でしなければならないと定めて交通整理をしているのです。確定日付というのは、聞きなれない用語ですが、簡単に言えば、郵便局から出してもらう内容証明郵便や、公証役場で押してくれる確定日付と呼ばれるスタンプ印のことです。
会社が倒産すると、高利金融業者を譲受人とする内容証明郵便が2通も、3通も送られてきます。これが債権の二重譲渡の問題なのです。こんな場合に、うかつにいずれかの業者に支払ってしまうと、後に、また違う業者に支払わなければならない羽目に陥ってしまいます。これを二重弁済といいます。この種の被害にあわないようにするためには、内容証明郵便が2通も、3通も送られてき多様な場合には、是非弁護士に相談してください。

婚約破棄

婚約を一方的に破棄された場合、破棄に正当な理由がなければ、破棄された側は相手方に対して慰謝料等を請求できます。
婚約を解消する「正当な理由」が認められるかどうかは、ケースバイケースですが、単なる性格の不一致や結婚生活に対する漠然とした不安といった事情では認められず、婚約期間中に浮気をされた、暴力を振るわれたといったような事情が必要になります。
慰謝料が認められる場合でも、一般的には、離婚の場合に比べるとかなり低額であり、数十万円というケースが多いようです。

胎児の権利

生物学的に「人」となるのはどの段階かというのは興味深い問題ですが、民法その他の私法では、権利の主体となれるのは出生の時点(胎児の身体全体が母親の胎内から排出されたとき)とされています。
ただし、(1)損害賠償の請求、(2)相続、(3)認知の場合については、例外的に胎児の状態のまま、請求者、相続人、認知を受ける者となることができるとされています(実際は、母親等が胎児の代理人となって手続を進めることになります)。胎児は無事に生まれて「人」になる確立が高いので、こうしないと可愛そうだからです。

失火責任

不注意によって自分の家を火事で燃やしてしまい、隣家にも飛び火してしまった場合、原則として、隣家の人が被った損害を賠償する必要はないとされています。
例外的に、火元である家の所有者等に重大な過失があった場合、すなわち、わずかな注意をしていれば火事が防げたにもかかわらず注意を怠った場合にのみ、損害を賠償すべきとされています。
これは、日本には木造家屋が多く、しかも密集していることが多いため、延焼による損害は莫大なものになりやすく、自宅を焼いた者に隣家への損害賠償の責任まで負わせることは酷だという配慮によるものです。

隣地関係

木の枝・根の越境
隣の敷地に植えられている木の枝が境界を越えて生えてきている場合、隣地の住人に無断でその枝を切ってもよいのでしょうか。
このような場合、民法上は、越境している枝を勝手に切り取ることはできず、隣地の所有者に対して越境している枝を切除する請求のみが認められています(もっとも、越境している枝の部分がごくわずかで、特段の損害も生じていない場合には、このような請求が権利の濫用とされることもあるでしょう)。
これに対し、隣地の木の根が境界を越えて生えてきている場合は、この根を切り取っても構わないとされています。

袋地通行権
ある土地が他の人の土地に囲まれていて公路と接していない場合、囲まれた土地(袋地)の所有者は、公路に出るために囲んでいる土地を通行する権利が認められています。
もっとも、他人の土地を通行させてもらうのですから、通行する場所等については、必要かつ隣地の方にとって損害の最も少ないものを選ばなければならないとされています。ですから、隣地の方の縁先を通る等、プライバシーを侵害するような通行は認められないでしょう。
通行権を認められた者は、通行する場所に通路を開設することもできます。この通路開設は、通行権者の権利ですが、隣地の者の義務ではありませんので、通路の開設費用や維持費用は通行権者の負担となります。

事業用借地契約

建物の所有を目的とする敷地の賃貸借契約(借地契約)は、借地人保護のため契約期間が満了しても更新されることが原則とされています。
これに対し、一定の要件を充たせば、期間満了時に借地関係を終了させる借地契約を締結することも認められており、このような借地契約を定期借地権といいます。
この定期借地権のひとつが、専ら事業用の建物の所有を目的とする事業用借地契約です。
借地人が事業者であり、事業用の建物を所有して事業を営むのであれば、採算を計算して一定期間に限定した契約をすることを要求しても不当とはいえません。そこで、
(1)専ら事業用の建物の所有を目的とし、かつ、
(2)期間が10年から20年の間であれば、
更新を予定しない定期借地権を締結することができるとされているのです(更新はできませんが、期間満了時に当事者間の合意により再度契約することは可能です)。
なお、事業用借地契約は、公正証書によって行わなければならないとされています。

手形の危険性

手形は恐いものだ、素人がいじるものではないなどと言われます。そのとおりなのですが、どんなところが怖いのでしょうか。

振出に関する危険性
手形を発行する時には必ず対価をともないます。
例えば、中古車を購入する際に手形を切ります。この場合に、中古車が故障続きなので、車を返すとします。当然に手形も返してくれと要求しますが、既に第三者に渡してしまっていれば、将来第三者からの手形金請求に対して、車を返したのでその手形は無効だと主張することができません。
但し、その第三者が、その手形は車が戻されたのだから振出人に返されるべきものだということを知っている場合には、その第三者に対しては請求を拒絶することができます。事情を知らない人のことを善意の第三者といいますが、振出人は善意の第三者からの手形金請求に対しては拒絶することができない仕組みになっているのです。

裏書に関する危険性
手形の裏面のますの中に自分の住所や氏名を記載し、押印して交付することを裏書といいます。第三者から裏書によって取得した手形を第三者に裏書して交付する場合には、その手形に対する精算は完了しているはずです。従って、通常では将来その手形の所持人から請求を受けることはありません。
ところが、振出人が満期日にその手形を決済できない時には、最終所持人は、複数いる裏書人の誰に対して請求してもよいこととされています。つまり、複数の裏書人は連帯保証債務と同様の責任を負っていることになります。換言すれば、手形を裏書譲渡するということは、見ず知らずの振出人に対して保証することになるのです。

白地手形の振出に関する危険性
手形金額や満期日の記載欄を空白のままで振り出された手形のことを白地手形といいます。この白地手形は、将来この手形を取得する第三者に対して空白部分を自由に記入してよい権利を与えているものと判断されますから、予想に反するような高額な金額や、予想よりはるか以前の満期日を記入されても文句が言えず、その手形を決済しないと不渡り処分にされてしまいます。本当に恐ろしいことです。

紛失に関する危険性
手形は、その金額が100万円でも、1000万円でも紙切れ1枚です。どこにしまったか忘れてしまって大騒ぎすることもありえます。手形を紛失してしまった場合には、裁判所に対して公示催告・除権判決と呼ばれる面倒な手続をとらない限り、その手形金の請求ができないことになっています。

夫婦間の暴力

当然ながら、夫婦の間でも暴力は許されません。暴力は、相手方の人格を否定することになるからです。
一定の限度を超えた、例えば、強い打撲、骨折などをともなう暴力を受けたときには、警察に相談すれば傷害罪という刑事事件として捜査してくれます。
民事的には、夫婦間といえども損害賠償の請求をすることが可能です。
また、強い暴力、継続的な暴力は明白な離婚理由になります。最近では夫または妻の暴力は離婚原因の上位を占めております。
以上いずれの場合でも、相手方が暴力の存在を否定した場合には、被害者のほうで証明する必要がありますので、お医者さんにかかって診断書を手に入れておく必要があります。打撲によるアザなどは時間の経過とともに薄れてしまいますので、一時も早く病院に駆けつける必要があります。

離婚と氏の変更

離婚すると、婚姻時に氏(姓のこと)を変更した人は自動的に旧姓に戻ります。
戸籍も婚姻前の戸籍に戻るのですが、希望すれば自分だけの独立戸籍を作ることもできます。
婚姻中に名乗っていた氏をそのまま使用することもできますが、そのためには、離婚届を提出した日から3ヶ月以内に戸籍役場に届けなければなりません。もちろん別れる相手方の了解を得る必要はありません。
戸籍から出る人(多くの場合には妻)が親権者になる場合でも、子供の氏は変更されませんので、戸籍から出る人と子供の戸籍も別々で、姓も異なってしまい、日常生活に不便を生じてしまいます。この場合には、家庭裁判所に対して「子の氏の変更申請」と呼ばれる手続をすることになります。
このようなケースでは、ほとんどの場合に変更が認められ、子供の氏の変更を認める家庭裁判所の決定を戸籍役場に提出すると、子供の氏が変更され、同時に子供が戸籍から出た人と同じ戸籍に入れられます。やや面倒な手続になっていますが、これは民法と呼ばれる法律が、夫婦同姓と氏の制度を基本としているからで、いずれ法改正されることもあるかもしれません。

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